ミュージカル「エリザベート」:トート閣下の最後の表情は・・・

7月25日、「エリザベート」東京公演再び観劇。

一番印象に残っているのは、城田優演じるトートの最後の表情。

どこか遠くをみているようにも、途方に暮れているようにも

諦めているようにも、うちに秘めているようにもみえる、

すごく透明な表情をしていました。

「愛と死の輪舞」の、包み込むような歌声、「最後のダンス」の

情熱的な歌声。「私が踊る時」の激しさ、苛烈さ。

愛する女であっても、人間へのいら立ちを隠せないところ。

見ごたえがあったのは、古川ルドルフとのデュエットでした。

声の相性がいいのでしょう。トートとルドルフの刹那的で脆い、

けれど何らかの絆で結ばれていると思ってしまうようなハーモニー。

ダイナミックなリフトもあり、ダンスも見ごたえがありました。

トートダンサーたち、今回もとても素晴らしい動き。

蘭乃はなさんの歌声は初めて聞きましたが、裏声の豊かさはいいです。

地声との切り替えがもっと安定しているといいなと思いました。

涼風さんは厳しい声を出しているときにも、息子を愛する母親の

かわいらしさを持っていました。

少年ルドルフの「ママ、何処なの?」は、思わず泣いてしまいました。

しかし、トートと身長差すごかったな。

今回の古川雄大さんのルドルフは、何かグラグラとした怒りの青い焔を

心身にため込みながら苦しんでいる感じがよく出ていました。